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Antelope Audio ZEN GOの問題について〜逆相ってなに?〜

先日、ハイグレードオーディオインターフェースに関するメーカートラブルがありました。

今回はこちらの問題について取り上げてみたいなと思います。

事の発端はこちらの記事↓

ZEN GO SYNERGY COREの不具合に関するお詫び

この度は弊社ZEN GO SYNERGY COREに発生した不具合ならびに、それらに関する情報公開が遅れたことにより、多くの皆様に多大なるご迷惑をおかけしてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。

 

2021年2月24日に、確認された位相反転(極性反転)の問題につきましては、3月11日のファームウェアアップデートにより修正いたしましたが、リリースノートにてその修正に関するご報告ができておりませんでした。弊社はこのような事態を大変深く受け止め、ZEN GO SYNERGY COREがお客様のご期待に添えないと感じられたお客様には、2021年4月15日までにご返品をしていただきましたら、返品理由を問わずに全額返金をさせていただきたいと存じます。全額返金をご希望の方は、大変お手数ではございますが、office-jp@antelopeaudio.comまでご連絡いただけましたら販売店に返品出来るよう随時対応させていただきます。

 

日本での弊社製品の需要の増加に伴い、お客様の期待も高まっているなかで、このように対応が遅れてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。今後は、再発防止のため製品の管理・検品システムの見直しを行い、お客様の信頼回復を得られるようAntelope Audio一丸となって改善に取り組んでいく所存でございます。今後も、皆様よりいただいておりますご要望やご報告を元に、ZEN GO SYNERGY COREを含め現行デバイスのファームウェアの更新と開発を引き続き行ってまいりますので、何卒ご容赦下さいますようお願い申し上げます。

【対象製品】

Zen Go Synergy Core

【全額返品対応期間】

2021年4月15日まで

【対応窓口】

Antelope Audio Japan (office-jp@antelopeaudio.com)

そもそも位相反転って何?

位相反転とは、音の波を180°反対にさせる事を指します。

通常の音の波「正相」とは全く反対の波で、重なると音を打ち消してしまうと言う性質を持ちます。(高額なオーディオインターフェースやDAWソフト、ハードプリアンプでよく見る(Ø)マークが位相反転のスイッチですね)

ノイズキャンセリングの技術はこの位相の仕組みを上手く利用しています。

極性反転だと何が問題?

基本的に1本のマイク、ギターで録音している場合には何の問題もありません。

ただし2本以上のマイクで同じ音を集音する場合、音の波がバラツキます。その際にマイクの音がぶつかり合い音がスカスカになってしまう場合があるのです。

とは言ってもなぜこんな極性の問題があるのかと言うと、実は海外製品は逆位相の製品が多いのです。日本に入ってくるミキサーは波形を正位相に直して出荷されるのですが時たま逆位相のままの商品があり問題に挙げられる事があります。

一例

Soundcraft「Signature Series」出荷停止のお知らせ

 

ヒビノ株式会社 ヒビノプロオーディオセールス Div. が販売しておりますSoundcraftのアナログ・ミキサー「Signature Series」の、一部入力端子の位相が逆相になっていることが判明いたしました。特定の環境でご使用になると運用に支障が出る可能性があります。メーカーには既に本件を報告し改善を要求しておりますが、結論が出るまでの間「Signature Series」の全モデルの出荷を一時停止させていただきます。

ご迷惑をお掛けいたしますが、よろしくお願い申し上げます。

これは以前出荷停止になったSoundcraftと言うメーカーのミキサーです。今回のZEN GOより事態は深刻なんじゃないかな〜とは思います。

このように時たま逆位相の製品が混在してしまう事はケースとして十分にあり得るのです。

まとめ

今回の騒動ですが、現在はアップデートが終わっており、位相の問題もクリアになっています。ただしこの一件でメーカーに不信感を抱いている方もいらっしゃるのではないかと思います。(元々Antelope Audioはサポートの面で微妙なところはありました)

ある程度分かってる人なら「まあアップデートされたんだし別にいいんじゃね?」と割り切れる部分はあるかもしれませんが、問題はこのオーディオインターフェースを勧められて購入された初心者ユーザー層かもしれません。

60,000円と言う価格帯を考えた時に対抗馬になるのは恐らく【Universal Audio Apollo solo】くらいしかありませんが、返金してもらって買い換える場合はもう少し吟味した方がいいでしょう。

ただ、元々Antelopeはハードウェア面ではとてもいいと思いますのでちょっとくらい大目に見てもらってもいいかもしれません。DiscreteとかOrionはホントに素晴らしい機材だと思いますし。

とりあえず言える事はギター一本、マイク一本しか取らない人にはあんまり関係ないよ〜と言う事です。そこまで気にする必要もないかと思います。

追記:4月5日更新

改めて調べていたら片側の極性が違っていたようです。なんでそこまで炎上してるんだろうと思ってたんですが確かにこれはヤバイですね。更に今までのメーカー対応が微妙だったのも炎上の要因だったようです。

片側が極性逆って事はキーボードでステレオ入力した時音消えちゃいますね。Antelope自慢のEdge duoとかも打ち消しあってしまうのではないでしょうか。

ただこれでレビューをあげている人をこき下ろすのはなんか違うような気もします。僕は正直モノで確認してもわかんないと思います。まずステレオ録音とか検証しないでしょ。

レビューする時だって音の確認だいたい1chでマイクかギター差せば事足りますし、使い続けていない限りは気づかないと思います。

でもAntelopeさんはモノがいいのでメーカーとしてもう少し頑張ってほしいな〜と言う気はします。

ABOUT ME
otomane
Cubaseを18歳から始める。現在使用歴15年。一児のパパ。 音楽で食べていく事を夢見つつ、20代はフリーターをしながら作曲活動をしていました。その時に感じたお金に関する悩みや改善点、得た知識を発信していきたいと思いオトマネを開設しました。 これから音楽で生活したいと考える方の助けになる情報を発信していきます。