今回はモニタースピーカーに関するお話をさせていただきます。
【モニタースピーカーとは】
一般的なオーディオ用のスピーカーと違い、制作に使うためフラットなサウンドを求めて作られたもの。自宅で使うものは通称ニアフィールドモニターと呼ばれます。
【そもそもなんで必要なの?】
モニタースピーカーは主に楽曲の調整をするミックス、マスタリング作業に使います。
ヘッドホンではわからないスピーカーを通したサウンドを聴くことで細かい調整等をしていきます。(逆にスピーカーでは分かりにくい空間をヘッドホンで聴いて調整していきます)
【個人的にスピーカーが必要な訳】
それは安定したクオリティの楽曲を作り続けるためだと思っています。
なぜかと言うとヘッドホンでずっと作業していると耳が疲れてしまうからです。
製作をしている人なら経験があると思いますが休憩が終わり、さあ制作再開しよう!とさっきまでの音を聴いたとき「あれ?こんな音だったかな?」と違和感を覚えます。
それは耳が疲れているからです。そんな状況で作業を続ければどうなるか。毎回ミックスのクオリティにバラツキが出てきます。
モニタースピーカーはそういったことはないため、安定したクオリティでミックス作業ができるのです。
あとは私、敏感肌でアトピー持ちなため、ヘッドホンをつけていると耳がかぶれてしまうというのも理由の一つではあります。同じ悩みを持つ人はスピーカー買ったほうがいいですよ!
【大きさ(インチ)はどの大きさ】
モニタースピーカーでよく聴く○インチスピーカーというのは主にウーファーのコーン部分の大きさを指します。
そして昔から言われているのは「3インチはやめておけ!」という事です。
なぜか?
それは小さいスピーカーほど鳴らせる周波数帯域が狭いからです。
更にほとんどの3インチモニタースピーカーは実用的なサウンド条件を満たしていません。
(個人の見解です。一部オススメできるものもあります)
ただしあくまで曲作りを楽しむ、パソコンのスピーカーから鳴らしているという環境よりはかなりマシにはなりますが。
オススメは頑張って4インチ以上のスピーカーを選ぶという事です。
【選び方その1:部屋の大きさで選ぶ】
4畳~6畳:3インチ~4インチ
7畳~12畳:5インチ〜8インチ
個人的な印象です。人によってはバラツキがあるかもしれません。
【価格帯】(ペア価格)
10000円~30000円以内:エントリーモデル(あまりオススメしない)
30000円~50000円:エントリーモデル(オススメの価格帯)
60000円~100000円:ミドルクラス(更に上の位を目指すなら)
低価格帯のモニタースピーカーは片側のみにパワーアンプを取るタイプが非常に多く、重さも非常に軽いのが特徴です。軽いモニタースピーカーは「共振」により音像のバランスが崩れやすく、しっかりとしたモニターをするにはオススメしずらいのが難点です。
【ジャンルに合わせて選ぶ方法】
モニタースピーカーもメーカー毎に特色があります。ロックに向いているサウンド、シンセサウンドに向いているサウンド、激しいサウンドが得意、ゆったりとしたサウンドが得意等あげればキリがありません。
実際に聞いてみるのが一番なのですが、もし近くに試聴出来る環境がないならお店の方に直接聞いてみるのがいいでしょう。(ただし家電量販店やオーディオスピーカーの専門店は全く部署が違うため注意!)
とりあえずどんなジャンルでもOKなモニタースピーカー
YAMAHA MSP5 Studio
長年日本の音楽製作シーンで愛され続けているキングオブスピーカーと言えばこの MSP5です。重量はありますが、音の出方に関してはこれ以上のモニタースピーカーはありません。海外のスピーカーって割りとオーディオとしても聴けるような柔らかい自然なサウンドになる事が多いのですが、このスピーカーは非常に冷たい印象を受けます。
100%モニタースピーカー以外の用途では使用しない!と言う確固たる意志を感じます。
それくらいサウンドはそっけない感じです。ですがその音が逆にいい!
こんな音で鳴るスピーカーは他には存在しないでしょう。
EVE AUDIO SC205
ペアで11万円するこちらのスピーカー。この価格帯になれば定位も非常に安定し、まるで目の前で演奏してくれているような音が得られます。
EVE AUDIOは内臓のDSPによりスピーカーの出音のバラツキ具合を調整し、192kHzの高解像度を誇るデジタルサウンドで鳴らすことが出来るまさに現代のモニタースピーカーです。
手前のノブでスリープやツイーター、ウーファーの調整もできます。わざわざ後ろに回って電源を切るといった煩わしさもありません。
- スピーカーによっては得意な音の帯域がある。
- 部屋の大きさによって購入する大きさがある程度決まる。
- グレードが上がれば捉えられる音の幅が広がり、ミックスの精度も安定するようになる。