【私のこれまでの経歴】
まず私の経歴として、高校卒業と同時に専門学校に入りました。
入学前は、ギター一本で拙い作曲をし、歌詞を考え、入学前にはTSUTAYAでいろんなCDを毎日当日で借りてはipodに入れてずっと聴いていましたね。
音楽理論もなにもわからず、ただ音楽の仕事がしたいとそう思っていました。
そうして入った専門学校ですが、結果として「落ちこぼれ」として卒業し、フリーターとなりました。現在は、当時とは違う形ではありますが販売として音楽関係の仕事をしていますので、あながち無駄だったわけではないのですが・・
結果、音楽を続ける為のモチベーションにはなりましたが、音楽を制作する仕事にはつけませんでした。これから専門学校、音大を目指す人にはそうなって欲しくないので今回こういったお話を書こうと思いました。
【大学、専門学校に通う利点、メリットとは】
メリットその1 | 自分の知的好奇心を満たされる。 |
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メリットその2 | 音楽の仕事に必要な基礎知識を得られる。 |
メリットその3 | 周りが音楽のことばかり話しているため、いい影響を受けやすい。 |
メリットその4 | 先生、有名な講師、メジャーレーベル等と人脈を作ることができる。 |
私が学校で得たこと(自身の経験に基づく)でメリットと感じたのは主にこの4点でした。確かに仕事に必要なマナー等は意外とネットを探しても見つからない(というかそもそも一般の人で調べることはまずない)ので、この部分は今も助かっています。
また、みんなが音楽の話ばかりしている環境は私にとっては非常に楽しいものでした。
地元ではそういった音楽の話が合わないため、こういった刺激はより音楽にハマるきっかけをくれたのです。
そしてココが一番のメリットだと感じるのは『人脈』です。最近ヒシヒシと感じるのが、やはり第一線で活躍しているプロからの刺激を受けられること。ずっとその現場で働いている人はどこか違った価値観を持っているため、高みを目指すならしっかりと人脈は大事にしましょう。
【大学、専門学校に通う利点、デメリットとは】
デメリット1 | 学費が高い |
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デメリット2 | 卒業したらサポートがない |
デメリット3 | ズルズル行くと就職が困難になる |
デメリット4 | アーティスト活動をするなら別に行かなくてもいい |
デメリット5 | (奨学金を借りた場合)返すのが困難 |
運よく事務所や会社に所属できても給料が安いところがほとんどです。(奨学金なんてとても返せない。というより生活自体が困難になる)
そして何と言っても学費が非常に高いです。私立の大学くらいの金額は飛んでしまいます。
そしてなにもないまま卒業したら、基本はほったらかしです。要は自分でがんばってくださいという感じですね。(これは音大に限りませんね)
一応学校によっては卒業後も企業プレゼンに参加したりはできるそうですので自分が音楽の仕事をがんばりたいならいいでしょう。
【こんな人は大学、専門学校がオススメ】
オススメ1 | クオリティの高い演奏や、楽曲制作ができる |
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オススメ2 | メディア関係やPAエンジニア、運営スタッフとして業界に行きたい人 |
オススメ3 | コミュニケーション能力に長けている |
オススメ4 | 人脈を作りたい人 |
オススメ5 | 卒業後、しばらくお給料なしでも問題なく生活できる人 |
当たり前だろ!と思われる項目もありますが、その当たり前がわかっていない人は意外と多いのが事実です。(私も実際はそうでした)
就職率が安定しているのはPAエンジニアや運営スタッフだと思います。(私の知り合いではそうでした)
【アーティストの場合】
まずアーティストは狭き門です。9割は卒業してバイトしながらライブ活動等をしたり、スタジオミュージシャンや仮歌ボーカル等で生計を立てたりしている人が多いのが事実です。そして大体24~25、もしくは30手前くらいで一線を退く人が多い気がします。
そしてアーティストの一番の問題は『時間がない』という事です。ここで言う時間がないというのは『年齢』のことです。
バンドならまだ20代で華開けばいいかもしれませんが、ソロボーカリストはそもそも『若さ』が大きなアドバンテージになります。
これは昔企業プレゼンで、ボーカリストが隣で面談していたときに耳にしたのですが、15歳以上はすでに『若さ』が足りないと言われていました。
例えば宇多田ヒカルさんは15歳であの作詞能力と歌唱力を持ち合わせていたため、そこまではいかなくてもそれ相応の技術力がいるとレーベルの人が言っていたのを思い出します。
高校卒業し、専門学校に入った時点で18歳、そうなるとかなりの努力が必要になりますね。ボーカリストは華がないと上に上がれないため、自分の能力を客観的に分析する力が必要になるかと思います。作曲能力やダンスの技術、ピアノやギター弾き語りの能力を持っていると強いので、一緒に勉強することをオススメします。
【コンポーザー(作曲、編曲家)】
また、コンポーザーを目指している人も大変です。コンペ作家(楽曲オーディション)を目指している人はまず家族のバックアップも必要です。
コンポーザーはコンペの依頼を受け、1週間で3曲以上もの楽曲(1サビ~ラスト)くらいのデータを仕上げないといけません。年々音源クオリティのレベルが上がっていますのでほぼCD化できるくらいまでの完成度が必要になります。
更には毎回歌詞も考え、仮歌ボーカリストに歌ってもらいます。仮歌ボーカリストも余り下手な人は落とされてしまいますのでしっかりと楽譜が見れて、最低でもピッチ、リズムが安定している人が求められます。うまい人だとギャラが発生してしまうため、お金がないと厳しいです。
更にギターが弾けない人は、ギタリストも必要になります。更にギターもただ弾けるだけでなく、曲のイメージを汲み取り、どんなジャンルにも対応できる柔軟性を備えた人が必要になるのです。
ギタリストに払うギャラ等もあるため、とてもお金に余裕のない人には頼めません。仲良くなっていればタダでやってあげるよ!という人もいるとは思いますが、人付き合いが苦手な人はそもそもその段階まで行かないため、コミュニケーション能力の向上は必要不可欠でしょう。
コンペをしている人に聴いたのですが、コンペで通るのは『100曲作って10曲あるかないか』だそうです。さらに印税も事務所と分配になります。1年後くらいにくるそうなのでそれまではお金はありません。因みにコンペで通らないものにはギャラは発生しません。(その時間が無駄になります)私も一回だけ印税をもらうことができたのですが確か1年後くらいでした。(数十円レベルでしたが・・)
【個人的にすごいと感じた人達のデビュー】
私自身はコンポーザーを目指していたので主にそこでのお話になるのですが、その方は元々普通の仕事をする傍ら楽曲制作をしていました。ネットに投稿等もしていて、技術力はかなり高かったです。その方は後ほど仕事を辞めて専門学校に入り、今は楽曲制作依頼を受けて仕事をしています。
コンポーザーの強みは「年齢は余り関係がない」ということです。「別に専門学校には高校卒業してすぐ入る必要ないよね」と気づかされました。
お金がない、技術力が足りないと感じる方はまず就職して資金を貯めることを勧めます。それでも音楽制作の仕事につきたい!という熱意があるなら機会を待って学校に入ればいいのではないでしょうか。(というか一般家庭の人はそうじゃないと難しい)
因みに私は専門学校に入るよりは音大に入ったほうがいいのではないかと感じています。音大生とお話をしているとよりその考えが強まってきました。(隣の芝は青いというやつですかね・・・)
どうも音大のほうが、しっかり勉強すれば卒業までにはかなりレベルアップしている方が多い気がします。私の周りが多いだけなのかは不明ですが。
専門学校はどうしても書類だけ通してしまえば入るのは簡単なため、遊びで来ている人が多いのも事実。
おまえ、何しに来てんの?って感じです。
本気でものにしたいなら同じ考えを持っている人と仲良くなりましょう。
以上、音大、専門学校のお話でした。